2007年12月17日

それでもボクはやってない【横浜地裁】論告・弁論

横浜市職員のFさんが痴漢の罪に問われた事件。
先日12月14日、横浜地裁403号法廷で第六回公判が行われました。

 事件とこれまでの公判の概要については、
 こちらをご参照ください。


今回は、論告と弁論。検察と被告人との意見の言い合いは
泣いても笑ってもここまで。きょうついに結審です。

前回と同様、被告人はスーツ姿。その後ろに弁護人が三人。
男弁、女弁(この二人は夫婦)と若弁。
検察官はきょうは若い女検事が一人だけでした。

裁判官が入廷して裁判がはじまります。
おおまかな流れはおよそ次のような感じ。

(1)証拠の採用について
 弁護人提出の証拠採用について検察は不同意としていたが、
 すべてそれを撤回。すぐに終わった。

(2)検察による論告(求刑)
 とにかく被告人が犯人に違いないの一点張り。

(3)弁護人による弁論
 検察の無理ある主張を一つ一つ潰してかかる。

(4)最終意見陳述
 改めて無罪を主張。


では、論告以降の詳細を・・・

(a)(2)の検察による論告
 検察官はきょうは女検事が一人だけで、
 前回いた不気味な笑顔のおじさんはいませんでした。

 女検事は、最初に犯人は被告人に違いないと言い、
 それを前提にすべての主張を押し通しました。
 被害者の証言はこれこれこうで、信頼性がある。
 被告人の証言はこれこれこうで、不合理で、信用性がない。
 被告人の犯行は強制わいせつにも匹敵する卑劣な行為だ。
 情状は、性犯罪でもあり再犯のおそれがあるので、酌量せず。
 求刑は、懲役6か月の実刑

 ついにでてしまいました。懲役6か月。
 迷惑防止条例で定められた罰則の最大値です。

 検察が論告している間、被告人はあきらめ顔の
 うつむき加減で話を聞いていました。
 日焼けした顔が心なしか紅潮しているのがわかります。
 ときどき、小さく首を横に振っていました。

(b)(3)弁護人による弁論
 男弁護士が淡々と意見を述べていきました。
 横浜線のダイヤ(根岸線直通列車の頻度)、
 東神奈川駅の構造などを検証したうえ、それらから導き出される
 被告人の当日の行動の合理性を主張していきます。

 さらに弁護人は被害者女子高生の供述の信用性は低いと主張。
 被害者は当日電車内で4回お尻などを触られているが、
 その4回さわったのがすべて同一人物とは言えないとしました。
  1 スカートの上をなでた
  2 ブルマの上から股間をなでた(菊名到着のアナウンスでとまる)
  3 スカートの上から軽くおかれた
  4 いったん離れたあと再度触れたときにその手をつかんだ
 4回目でつかまれたのはたしかに被告人であるが、
 1・2で触った人と、3・4で触れた人とが
 同一人物であると断定するのは被害者の供述だけからは
 到底できないと主張しました。

 検察は裁判になってから被告人が真犯人の存在をほのめかすような
 証言をしているが、なぜ捜査段階でそれを言わなかったかを
 追及している。ところが現実として女子高生が
 どんな目にあったのかもしらないのに、真犯人のことを
 思いつくはずがない。そしてそれを知らないことそのものが
 無罪である何よりの証拠だ、と。

 ちなみに、弁護士の弁論中に次のような事実も発覚。
 警察の捜査段階で、被告人とほぼ同じ身長の人物で
 実験してみたところ、被害者役のお尻に手が届かなかったので、
 被害者と身長がほとんど同じ人物に役を変えて触っている様子の
 写真を撮ったのだそうです。
 ということは、やはり被告人が被害者女子高生の
 お尻は触れないということを自ら証明してしまったんですね。
 警察や検察は自分でそのことに気がついているのでしょうか?

(c)(4)最終意見陳述
 裁判官に促され、いままでじっと座っていた被告人。
 すっくと立ち上がり証言台へ。
「私は・・・」
 声が震えています。
「この事件で、4か月の拘留をされました。
 友人は、そんな目にあうなら自分なら
 罰金払って罪を認めてしまうといっていました。
 でも、私は、
 やってないことをやったとは絶対にいえない。
 公正な判断をしてもらいたい」


判決は来年1月18日11時30分。決戦の金曜日。




posted by ひろとも at 22:31| Comment(5) | TrackBack(0) | 法廷傍聴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする