会期はとっくに終わってしまったんですが……。

真島さんは、人と鉄道との関係を描いて、
新しい鉄道写真の世界をつくった人。
永年「JTB時刻表」の表紙写真や
JR「青春18きっぷ」の広告ポスター写真を撮っていたので、
知らず知らず真島さんの写真を目にしていた方も
きっと多いのではないかと思います。
鉄道紀行家の宮脇俊三さんの作品にも
同行カメラマンとしてときどき出演されています。
そして私の鉄道写真の先生 山ア友也さんのお師匠さんでもあります。
そんな訳で少なからずご縁があるということで、
写真展開催のためのクラウドファンディングにも応募して、
内覧会と通常展示の二回、会場を訪れました。
多くが未発表作品だそうですが、
山ア「教授」(以下、教授)がセレクトしたからか、
教授の撮る写真に似ている、いや、
教授の写真が真島さんの写真に似ているなぁ
というのが第一印象でした。

展示写真はすべてフィルムで撮影されたそうですが、
フィルムでなんでこの色が出せるのか不思議。

なんて、昭和な光景。現実のワカメちゃんみたい。
真島さんご本人も「ファーファちゃん」と呼んでた
お気に入りの一枚だそうです。

真島さんはご自身の作品撮りをほとんどしなかったそうですが
(それすら、今回の展示まで知らなかった)、
飯山線の横倉駅を管理していた「ことさん」だけは
ときどき追いかけて写真を撮っていたようです。

じんわり来るのが、順路の最後にある写真。
「鉄道ジャーナル」の巻頭を飾っていた連載のためのもの。
ロケ当日はシャッターを押す指もままならなかったそうで、
連載もこの2009年4月号が最後になったとのこと。
10年前に他界されてしまったのが、本当に心残りです。
言っててもしかたないので、いま生きてる人をだいじにしよう。
少なくとも、教授の言うことはちゃんと聞いて、
酔った勢いでおちょくったりしないよう気をつけます(たぶん)
●真島満秀 逝去から10年
鉄道回廊 1枚に秘められた舞台裏
会期:2019年8月2日(金)〜8月8日(木)
会場:富士フォトギャラリー銀座