2006年07月22日

お宝、発見

関西にお住まいのSさんより、投稿写真(*1)をいただきました。
ある個人の邸宅(*2)の写真ですが、とても重みのある一枚です。
正直に言って、この写真を見て感動せずにはいられません。

住吉の長屋2nplm.jpg

住吉の長屋。そう言えば、おわかりになる方もいらっしゃるでしょうか。
安藤忠雄の出世作とも言われ、
1979年度の日本建築学会賞を受賞した伝説の住宅。

余計なものを一切排除し、
必要最小限のものだけを配置した究極の外観。
コンクリート打ちっ放しの建物は、
間口3.3m、奥行き14.1mという二階建ての細長い箱。
その全体をバッサリ前後4.7mずつ三等分して、
一番手前と一番奥を居室とし、真ん中を中庭としています。
手前に上下に二部屋、奥に上下に二部屋あるわけで、
部屋と部屋の移動には必ず中庭と、
その中庭にある階段を通らなければなりません。

もちろん、中庭には屋根がないので(建蔽率の関係で)、
雨の日には寝室からトイレへ行くにも傘を差さねばなりません。
実際に住むのはさぞや大変なことだろうと思いきや、
当の施主さんは雑誌のインタビューで、次のように語っています。
「正直言って雨の時は、足も濡れるし、うっとうしい。
 でもこの解放感は何ものにも代えがたいものです。」

(『太陽』1995年10月号/平凡社)

ちなみに、今回投稿してくださったSさんによれば、
「実物は大変貧相に見えます(^_^;)」
とのこと。それでもいい。私もぜひ一度この目で見たいです。

それにしてもSさん、これを発見するために、
犬にほえられながらも、
二回も調査にチャレンジしてくださいまして、
本当に本当にありがとうございました。

私も、すぐにでも住吉に行きたい!


*1 オリジナル写真に若干の加工を施してあります。
*2 個人の邸宅なので支障等ある場合は写真を削除することがあります。
  予めご了承ください。
posted by ひろとも at 21:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 投稿写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
早速写真を見ました。1979年にできた家なのに古さを感じさせませんね。ごく普通の住宅に混ざってこんな家が建っているし、雑誌とかこのブログとかで解説してくれなかったらこの家のすごさに気づかないので確かにこれは大発見ですね。やはりこういう作り方をすると家の中に庭があるような感じがして開放感が出て、斬新な感じがしますね。
Posted by さらりとした梅酒 at 2006年07月22日 23:45
さらりとした梅酒さん、コメントありがとうございます。

この住宅の完成はじつは1976年なんです。
このタイムラグに建築界の体質が見え隠れするようにも思えます。

私は家の周りにある庭よりも、
家の中にある中庭のほうに魅力を感じます。
イスラム建築でいうパティオのような……。
しかも家のど真ん中に光が入ってくれば、
北向き、南向きといったことも考えなくて済みますから。
Posted by ひろとも at 2006年07月24日 00:26
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