2005年09月03日

安藤忠雄爆笑語録

きょう9月3日、「住まい文化研究会」主催の安藤忠雄さんの講演があったので行って来ました。
生安藤に会えるとあって、ドキドキで参加したのですが、安藤さんが話すたびに会場は爆笑の渦で、いつのまにか緊張はとけてしまいました。
自然環境の問題、少子化の問題、まじめなお話ももちろんありましたが、面白いお話は安藤さんの真骨頂でしょうか。撮影も録音も禁止なので、聞きながらとったメモをもとに、安藤さんの爆笑語録をちょっとだけ再現してみましょう。


●日本人の個性
(スライド写真をみながら)これ、日本の町並みです。まあ、どうということもないけど、あんまり美しくはないですね。
よく日本人には個性がない言いますけど、この建物見てください。みんな好き勝手建てて、個性だらけじゃないですか(笑)。ここはもう少し周りと調和してもいいんちゃうか思いますね。

●才能がなくても設計する方法
私は建築を独学で学んだんですが、最初、設計事務所にアルバイトで入ってました。そこでこう言われたんです。
『建築の設計は才能が必要だ。でも、才能がなくても設計はできる。大きな木がある土地なら、木に隠れるような建物建てたらええ。そしたら家見えへんから。木のない土地なら、木を植えたらええ。そしたら木で家見えんくなるから』
ああ、それはええ考えやな思いました(笑)。

●施主のいうこときかずに建築設計
最初は施主のことなんか考えてませんでしたね(笑)。人のお金預かって、好きなことできて、ええなあ思てやってましたね。施主はいろいろ言いますね。あんな部屋がほしいとか、こんなん作ってとか。でも、そんなんぜんぜん聞いてなかった。好きなこと考えてましたね。
1969年に事務所開いて、最初の十年ぐらいはそうでしたね。だから、その頃うちで家建てた人は、気の毒なことしたなあと(笑)、いまは思いますね。
なんで変わったか言うと、住吉の長屋いう家つくって、吉田五十八賞という賞の最終選考に残ったんです。それで審査員の有名な村野藤吾さんが見に来て言うんですわ。『これは施主に賞をあげるべきだ』と。そうか思て、その賞取り損ねて、少しは施主のこと考えるようになったですね。

●人は10センチでおぼれるか
京都に商業施設を建てたんです。三宅一生とか、高田賢三とかの服売るようなビルですわ。横に高瀬川いう川が流れてる。そこで我々は護岸を切り取って、水に親しめるような建築考えたわけですわ。そしたら京都市にそんなんあかんいわれましてね。京都の市長に言ったんですわ。『あそこの川は深さが10センチしかないから、おぼれる人なんかおれへん』て。そしたら市長は『10センチでもおぼれる』。『えーっ』て聞いたら『下に顔をうずめてぶくぶくぶく……』
もう、そういう人は、死んでもらってもいいんちゃうかと(笑)。

●建築に負けない服
(スライド写真をみながら)その京都の商業施設の写真です。窓から高瀬川や京都のいい風景が見える。そしたら高田賢三だかに文句いわれまして。『景色は見えるけど、服が見えない』(笑)。言うてやりましたわ。『よう見える服作れ。がんばれ』(笑)。

●日本の橋梁技術
日本の橋の技術はすぐれているんですね。明石大橋、鳴門大橋、本四大橋、ぎょうさんつくってる。中にはいらない橋もあるんですね(笑)。いらない橋も架けてるから、技術力はバツグン(笑)。

●全員賛成 全員反対
淡路島でお寺のお堂の依頼が来て、屋根に蓮池があって、その中入ってって下にお寺があるいうのを考えたんです。檀家がみんな集まったところ持ってって説明したら、全員反対。ふつう賛成と反対、半々ぐらいになるんですが、全員いうのは珍しいです。水が漏るとか、屋根がないとおかしいとかなんとかいうて、みんな反対なんです。たしかに屋根は権威を表しますからね。それで立花大亀大僧正という、先日亡くなられましたが九十何歳かの偉いお坊さんに相談に行ったんです。そしたら『蓮池の中に入っていくのはすばらしい。私も見てみたい』と。その次に檀家と集まったら、全員賛成(笑)。『前は反対いうてませんでした?』て意地悪できいたら、『そんなん言いましたかぁ、それは安藤さんの空耳ですわ』言われて。『だって水漏れるかもしれませんよ』言ったら、『多少のことは仕方がない』(笑)
日本人はたいていそうですね。部長や課長がいいと言ったらいい、悪いといったら悪い。いい加減そういう考え方はやめたほうがいいんじゃないか、思いますね。

●よくできた貝殻
淡路島に淡路夢舞台いうのをつくりましてね。水辺に貝殻を埋めたんです。ホタテのね。貝殻たくさん探して貼り付けてったんです。できたら、子供はわぁってよろこんでる。お母さん、なんて言った思います?
『いいプラスチック使ってるわね』(笑)
子供は親見て育つ言いますけど、親がこんなんじゃ、もう日本は絶望的ですね。
もっと本物を見てほしい。そして判断力を養ってもらいたいですね。

●60度の斜面に集合住宅
六甲山麓に集合住宅を建てたんですね。すごい崖のところに。崩れるんじゃないかとゼネコンはどこも引き受けてくれなかった。やっと十何人かの大工組いう会社に引き受けてもらいましてね。『雨の日は現場行くなー』いうてね(笑)。
それで隣の敷地にもう一つ集合住宅建てることになったんです。そしたら、こっちが大丈夫だったからと、こんどは竹中工務店が引き受けてくれました(笑)。

●4番目の六甲の集合住宅
六甲の集合住宅はいま三期まで建っているんです。三期はもともと神戸製鋼の寮になってて、『こんなん建てましょう』と案を持ってったけど相手にされませんでね。ところが阪神大震災で建物が壊れて。補修するより立て替えた方がいいということになって、『あの設計まだつくれますか』言われて建てました。
それでこっちの山には病院があって、いま第四期として建て替え中です。これはぜひとも安藤さんにと頼まれましてね。『まあ、やくざみたいなあんたしか頼めへん』言うんです。『なんで?』きいたら、『ここらへんに田岡さんが住んでいる』(笑)

●天皇陛下の植樹
瀬戸内の島に植樹する運動をしてて、天皇陛下にも植樹してもらおういうことになったんです。そしたら何か月かして返事が来て、言われたんです。『地雷はありませんか?』て。『そんなんあるかいな』言うたら、そういう言い方はないだろうと怒られまして。でも、探知機みたいなので調べてましたね。
でも、植えてもらった木、枯れてしまいまして(笑)。いまは代わりの木が育ってくれてます。

●太陽電池
さいきんはエコだとかなんとかいうて、屋根に太陽発電のプレートつくってぎょうさんやってますね。太陽電池、これ、美しいですか?どう考えても美しくはみえませんねぇ。こんなのがいいなんて、どうかしてるんちゃうかぁ(笑)。もっと小さいものができたらいいと思いますけどね。
美しさも機能ですからね。



来てみて驚いたのは、講演会の前後に本にサインを直接書いて渡してくれたこと。
まっしぐらに買いに行ってサインしてもらいました(笑)。買った人の名前も入れてくれたんです。とっても楽しそうにサインしてくださったのが印象的でした。
そうして一通りサインし終わると、安藤さんは関係者に挨拶をして、ふつうに道を歩いて(東京駅の方に)帰られました。

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こちらが、そのサイン本。Suzuki Hirotomoって書いてあるでしょ。宝物です。

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posted by ひろとも at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 安藤建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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