2008年05月08日

それでもボクはやってない【東京高裁・控訴篇】第一回公判

横浜市職員のFさんが痴漢の罪に問われた事件。
舞台は控訴審へと移りました。
昨日5月7日、東京高裁803号法廷にて第一回公判がありました。

【事件の概要】(当時の報道)

横浜市中区役所の34歳係長が電車内で女子高校生に痴漢
迷惑防止条例違反で現行犯逮捕

神奈川・横浜市の職員が、電車で女子高校生に痴漢をして、
現行犯逮捕された。 逮捕されたのは、横浜市中区役所の
係長・FA容疑者(34)。 F容疑者は(2007年5月)25日午前8時ごろ、
JR横浜線の電車の中で、高校3年の女子生徒(18)の下半身を
触るなどしたところ、女子生徒に腕を捕まれ、
菊名駅で警察官に引き渡された。
F容疑者は「やっていない」と容疑を否認している。



【第一審の経過】

一 7月17日 冒頭陳述、罪状認否
       (被告人は起訴事実を否認)
二 9月 7日 警察関係者に対する証人尋問
       (実況見分などはいい加減だったらしい)
三 9月28日 被害者に対する証人尋問
       (被害者は痴漢にあっているとき犯人の顔を見ていない)
四10月30日 弁護人の陳述
       (被告人の無罪を主張) 
五11月13日 被告人質問
       (検察官のおバカ質問にも丁寧に答える)
六12月14日 論告求刑・最終弁論
       (検察は懲役6か月を求刑・被告人は無罪を主張)
七 1月18日 判決
       (懲役6か月・執行猶予4年の判決)


そして、控訴審の第一回公判がはじまります。
時間は13時30分。14時までの30分間の勝負です。

裁判官は三人(裁判長・右陪席・左陪席)。
裁判長は競馬予想の井崎脩五郎に似た感じのおっさん。
若干白髪交じり。

傍聴席から向かって左側が被告人と弁護人の席。
顔ぶれは第一審と同じく被告人、夫婦の弁護士と若い弁護士。

右側は検察官の席。顔はよく見えないが地味な感じの女検事。

裁判長が開廷を宣言し、まず弁護側に話しかけます。
弁護人(夫)がなにかもごもごとしゃべっているのですが、
小さな声で早口で言うので、よく聞き取れません。
おそらく控訴してからきょうまでの間に
公判前整理手続かなにかのやりとりがあったのでしょう。
こちらの主張は控訴趣意書のとおりだとか、
事前にいったとおり証拠調べを請求しますとか、
そんな感じのことを言ってたのだと思います。
後にわかったのですが、弁護人は
被告人質問の請求と証拠物(ビデオと写真)の提出をしていました。

これに対し、検察官は、
控訴には理由がなく、棄却すべきものと主張。
さらに、証拠調べにはすべて不同意であり、
証拠物の提出は勝手だが(事実との)関連性は争うとしました。
横浜の第一審を連想させる「ぜんぶダメ」攻撃です。

弁護人はすかさず返し、関連性はあると主張。

苦笑いの裁判長は、ビデオテープについては
関連性は認めると判断。写真は後ほど調べるとしました。
さらに、「時間がない」との理由で、
提出されたビデオを見ることになります。

法廷に設置されたモニターは
われわれチームが座った右側の傍聴席からは
なんにも見えませんでした。
スピーカーから流れる音だけが聞こえてきます。

ビデオの上映は一審の時もありましたから、
それと同じものだろうと高をくくっていたら、
控訴審のために新たに作られたものでした。
「しまった」と思いましたが、そのまま音だけ聞き続けました。

まず、被害者の証言にもとづく事実検証がはじまります。
映像は想像するしかありませんが、
電車内の状況(シートとかつり革とか)を再現しているようです。
「判決文の記載どおり」という声が聞こえましたから、
被害者の証言は判決文の「理由」にもとづいているのでしょう。
「新横浜を出て」「混んだ電車の中で」
「二本の指先がするすると」「スカートの中へ」
「ブルマの上から」「そしてパンツのラインをなぞるように」……
かなりきわどい言葉が法廷に響き渡ります。

次に、被告人による再現があります。
ただ聞いているだけでは、さきほどと同じことを
繰り返しているだけにも思えますが、
混雑した電車内をかなりリアルに再現しているようです。
仮装被害者がいて、被告人とどんな感じと接していて、
前後左右にほかの乗客がこんな位置にいて、
仮装真犯人はここにいただろう、といったことを
丁寧に検証しているようでした。

ビデオの再生はかなり長く、
正確にはかっていませんが、15分前後はかかっていました。

ビデオ上映がおわったら、
裁判長はあとくされなく第二回公判の話をはじめます。
被告人質問はどれくらいかかるか、と弁護人に質問。
弁護人が30分と答えると、
次回の公判期日と時間をてきぱきと決めてしまいました。

さらに驚くべきことに裁判長は、いともあっさりと

「次回、結審する可能性もありますから」

と言い放ちました。


え!? もう結審しちゃうの(・O・;

あ〜あ……
一審判決の覆る余地がどんどん小さくなるように見えます。

くらくらしている間にもう閉廷。
13時52分。時間がないとか言ってて8分も余ってるじゃん。
なんだか、裁判がベルトコンベアに載せられて自動的に動いてく感じ。


次の被告人質問がホントの勝負になりそうです。
posted by ひろとも at 02:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 法廷傍聴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かにベルトコンベア式でちゃんとしているのだろうかという疑問が生じます。全部だめ攻撃でなく1審の問題点をよく見て再度判決が妥当かどうか判断する必要がありますが、それがなされていないのでそこが大問題です。あと、これも今後が気になります。最高裁に持ち越される可能性は低いし、結審して濡れ衣を着せられる可能性もありますね。続編も期待しています。
Posted by さらりとした梅酒 at 2008年05月10日 00:16
さらりとした梅酒さん、こんばんは。

>1審の問題点をよく見て再度判決が妥当かどうか
>判断する必要があります

まさにそのために上訴という制度があるのですが、
ぜんぜん機能していませんね。
日本は建前上三審制で実質二審制と言われますが、
もっと現実を見れば実質一審制です。

こんな当たり前のことができない人たちに、
裁判員制度をうまく機能させることなど、
まず無理だろうと思ってしまいます。
Posted by ひろとも at 2008年05月12日 00:46
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