2008年05月29日

それでもボクはやってない【東京高裁・控訴篇】第二回公判後篇

横浜市職員のFさんが痴漢の罪に問われた事件。
控訴審第二回公判のつづきです。

主尋問(弁護人)、反対尋問(検事)に続いて、
こんどは裁判所の質問です。

(3)裁判所
 左陪席の中年男が質問をはじめます。
 その口調に若干トゲがあります。
 (イ)写真の位置関係はあなたの記憶にもとづいてるのか?
  <被告人(以下略)>
   私の記憶と、被害者の記憶も一部あります。

 (ロ)被害者の肩とあなたの胸は接していたのだから、
   被害者の尻とあなたの腰はくっついてなかったのか?
   向きが斜めにずれていたので、くっついてませんでした。
   車内で必ずしもまっすぐ立っていなかったことも
   関係してるかもしれない。

 (ハ)あなたのカバンと傘は不自然に押されてなかったのか?
   カバンと傘は左の男のうしろにあったので
   押されてません。


 このあたりから、左陪席はかなり高圧的な態度。
 質問内容も意味不明になります。
20080526kosai03.jpg

 (ニ)真犯人は女子高生の左肩はさわらなかったが、
   車内ではさわれないような状況にあったのか?
   わかりません。
 (ホ)手をつかまれたとき感触はあったか?
   わかりません。
 (ヘ)真犯人の存在はなぜわからなかったのか?
   裁判所は(公判の事前に)被告人質問もしてるのに、
   なんでわからなかったの!?
 もう、答えようがありません。

 次に裁判長が質問。
 (ト)被害者とあなたの肩と腰の触れ方と
   位置関係は、いままでの話でまちがいないですね?
   ありません。
 その後裁判長は、証拠の取扱について、弁護人と話し合い。

 そしてなぜそんなに先を急ぐのかわかりませんが、
 裁判長はもう話をまとめようとします。
 弁護人がそれを遮り、弁論要旨を朗読させろと主張。
 裁判長は驚いた様子で、それならと許可します。

(4)弁論要旨(弁護人)
 女子高生供述の犯人は現実とは違う。
 被害者女子高生は、自分の靴と他人の靴の接触具合などから、
 犯人は被害者の真後ろにいたとしているが、
 両足の靴とあたったのは左と右、別の人の靴ではないか。
 被告人の立ち位置は、女子高生の認識と違う。

 被告人は、位置関係から考えて、被害者のいうような
 さわり方はかなり無理な姿勢をとらなければならず、
 痴漢行為はできない。
 しかも被告人の右前にも別の女の人がいた。
 ただでさえ、そんな姿勢は混雑した車内ではとても目立つ。
 もし上半身を傾けるような姿勢を二分間も続ければ、
 周りのひとにわからないはずがない。

 「まもなく菊名です」というアナウンスで
 痴漢行為はとぎれている。
 真犯人は、このあと電車にブレーキがかかり、
 痴漢はできないと思ったから、やめているのだろう。

 女子高生が被告人の手をつかんだことについては、
 争いがないが、その手は痴漢行為はしていない。
 もしさわったとしても尻に軽く手をおく感じである。

 「まもなく菊名です」のアナウンスの
 前と後とで女子高生の尻をさわった手が同じだと考えるのは
 無理がある。それぞれ別の手と考えるべきである。

 警察は、この事件について科学的捜査を一切していない。
 唾液をとったりしても、その結果が示されていない。
 捜査機関が撮影したビデオは、
 被害者と被告人とで同じ身長の人をモデルにしている。
 しかしそれでは真実は浮かび上がってこない。

 前審の裁判所の事実認定も、
 被害者の供述は、合理的で信憑性があるとの
 常套句を使いながら、その供述をそのまま認定するばかりで、
 とても納得いくものではない。

 よって被告人は無罪である。


弁護人の弁論が終わると、裁判長はそれにはなにも触れず、
前回同様てきぱきと次の日程を決めようとします。

「じゃー、判決は6月16日でいいですかー?」

おいおい、もう判決かよ(ToT)

ただし16日は弁護人の都合がつかず、再度日程調整。
とにかく来月中にはあっさり判決が出るそうです。

なんだかあれよあれよという間に事が運ばれていく。
それが、不安というか、不満というか。
不完全燃焼な感じです。


posted by ひろとも at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 法廷傍聴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おいおいこれでいいのかと大いに疑問に感じます。これでは以前のように痴漢でっち上げも起こりうると思います。どうやら悪い意味で先が見えてきました。
Posted by さらりとした梅酒 at 2008年05月29日 08:43
おはようございます

有ってはならないことですが、

裁判官や弁護士、検事も、「当たり外れがある」ということですね。理不尽ですが、仕方ないのかなあ・・・。
Posted by poohpapa at 2008年05月29日 09:25
さらりとした梅酒さん、こんばんは。
そうですね、なんだか裁判というものが、
たんなる事務作業のようにてきぱきと
処理されていくだけのような感覚に陥ります。

ただ、高裁は地裁とはやることが違って、
事実認定に誤りがあるかどうかだけ判断し、
あとはまた地裁に戻すのでしょうか。

なんだか不安な先行きですが、
早合点は避けた方がいいのかもしれませんね。
Posted by ひろとも at 2008年05月30日 21:48
poohpapaさん、こんばんは。
あってはならないことは、ありますね(^_^;)

当たりはずれどちらもありますが、
はずれの方がはるかに多いような気がします。
Posted by ひろとも at 2008年05月30日 21:50
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